木津川の家

#

工事詳細|木津川の家

  • 施工内容 : 新築住宅
  • 施工期間 :
  • 施工箇所 : 新築 /

【このお家の特徴】

  • 長期優良住宅
  • 耐震等級許容力度計算3等級
  • 省令準耐火
  • グリーン化事業補助対象住宅
  • パナソニック製第一種換気扇
    +冷房用、暖房用ルームエアコン各1台)
  • Ua値0.31、Q値が1.01
    Q1住宅レベル3のお家
Share:

Photo by Daijirou Okada

今回の木津川の家は「シンプル」をメインテーマに構成したお宅ですが、あちらこちらに奥様のこだわりが光ります。

1Fはキッチンとリビングルーム、浴室・洗面室・ランドリールームという構成になっております。

玄関ドアはスウェーデンのガデリウス社製 高断熱木製玄関ドアを採用。洗練された北欧デザインと、温かな木の質感でお家の顔である玄関を彩ります。

玄関を入ると広めに取ったシューズクロークがあります。お施主様の生活環境を考えるとそこまで履き物が汚れることは考え難いのですが、無垢材の棚板にドロ汚れなど付着するとお手入れが大変なので、ここでは表面加工を行った棚板を採用して汚れ対策を行いました。

シューズクローク横には暖房をメインで行うルームエアコンを設置。暖かい空気は、上へ上へとたまる性質があるので(きっちり断熱が行われていない影響もありますが、ロフトや2階が1Fに比べ暑く熱気がこもりやすいのはこのためです)この場所から暖房を行い、効率的にお家全体を温めます。

キッチンには奥様こだわりの対面キッチン、クリナップ製「ステディア」を採用。台所仕事をしながらリビングやお子さまの様子、ご飯を食べているところが見られるので対面型を選ばれました。

カランは開け閉めの必要がないセンサータイプで、お料理や食器洗いの際に効率化と節水に力を発揮します。キッチン横は通常凹凸のないキッチンパネルを使用することが多いのですが、今回は奥様ご希望で名古屋モザイクさんのタイル「キュリティ 」を採用しております。

シンプルがテーマなので白を基調にデザインを構成してありますが、キッチンはアクセントとして濃いグレーを選んで空間を引き締めました。

キッチンの目の前はスタディカウンターとなっており、お子様が学校の宿題などしている様子を見ながらお食事の支度ができます。また、コミュニケーションが必要な場面でも、スムーズにアイコンタクトや会話ができます。

スタディカウンターの上にある可愛らしい照明はオーデリック製で、ご主人と奥様に選んでいただきました。

ご主人はTVをご覧になるのがお好きと伺って、リビングでは大きなTVを見ながらゆっくりとくつろいでいただけるように空間を大きくとって設計してあります。

また、ダイニングには大きな化粧梁が一本入っております。将来的にご家族構成が変わってダイニングテーブルの大きさが変わったとしても、照明の位置変更などを柔軟に対応できるように、化粧梁にはスライドコンセントを入れてあります。

日射取得を考えて窓は南面に多く設置していますが、リビング・ダイニングに窓が多いと明るく開放感があり、気持ちの良い空間の演出にもつながります。

「木津川の家」は燃費計算ソフトQpexでの計算値は、【 Ua値が0.31・Q値が1.01 】のお家になります。ここは5地域になりますので、新住協のソフトを使用して計算すると外皮性能の数値の20%以下の燃費で生活できる家なのでQ1住宅レベル3になります。空間や間取りを贅沢に広く使っているにもかかわらず、高性能な住宅なので光熱費が安価にすみます。

床は三重県の熊野杉という板材を使用。プラネット塗装という保護塗装を予め行っているので、お茶などをこぼしてしまってもすぐに拭き取ればシミになりません。ウレタン塗装と比べ、べったりと塗った感のある塗装ではないので、素足で歩くと天然素材の良さを十分感じられる心地よい足触りです。

洗面所は杉板をメインに、天板にはアイカ製の人工大理石を使用して造作でオリジナル洗面台を制作しました。今回はお施主様のご希望で、カランや洗面ボウルの位置をセンターから10cmほど右側へずらしてあります。このように既製品では対応が難しい細かな変更ができるのも、造作(フルオーダー)の良いところだと思います。

床には水に強いパナソニック製のアーキスペックフロアという石目調のフロアパネルを採用しております。通常のフローリングを使用すると、浴室と洗面室の間が水分でシミや腐れが出ることが多いのですが、このフロアパネルは表面とサネ部分に耐水加工が施されているので腐食予防の意味でもこの材を採用しています。

タカハシではリフォーム工事も沢山のご依頼をいただいておりますが、浴室洗面室リフォームの際にクッションフロアが捲れ上がってカビている現場などを多く見ることから、20年先を見越してトイレ・洗面所にはこちらの耐水フロアパネルを標準採用しております。

洗面台の横にはランドリースペースに使える空間をご用意しました。洗濯が済んだ衣類を、ランドリースペースで干して、乾いたら下の棚に畳んでしまえるので、無駄のない導線になっています。また、突然の来客などの際には洗面所とランドリースペースをロールカーテンで仕切れる仕様にしております。

浴室はTOTO製サザナを採用しました。サザナはフロアが畳のように柔らかいのが特徴です。お手入れの際に膝をついても痛くないですし、万が一の転倒の際にもダメージを軽減してくれます。また、TOTOの製品は薬剤や洗剤を使用しなくてもキレイを維持できる設計になっているので、お施主様のご負担やひいては地球環境の負担軽減にも繋がるのでタカハシでは積極的に採用しております。

木津川の家は1Fと2Fを結ぶ開放的な吹き抜けが特徴です。一般的な住宅より少し低めな2200mmの天井高ですが、この吹き抜けを設けることで圧迫感を感じ難くなります。また、夏場は冷えた空気が上から下へ、反対に冬場は暖かい空気が下から上へ移動する通り道になります。

2階はまず広びろと取ったホールが目に飛び込んできます。基本的な設計コンセプトは「家族で一つの空間に居ようやないか」ですが、お子様が大きくなりどうしても個室が欲しいと言われた際に、ホールを簡単に間仕切れるようなベースの設計が施されています。

以前であれば、子供室は日の光がたくさん当たる南側に配置するのがベストといった話も聞きましたが、実際には朝早くから学校に行き夕方に帰ってくる生活の子供たちが家にいる時間は短く、それならば南面を日射取得に有効活用できるように配置にしてあります。

弊社の建てる高性能住宅は、断熱性能が高いので基本的には各部屋にエアコンを設けるのではなく一台で全館冷房・暖房を行います。木津川の家は上下階合わせると60畳ぐらいの広さになりますが、暖房専用と冷房専用のルームエアコン2台で十分快適な環境をつくり出せます。今回は全館空調システムとしてパナソニック製エアテクトを採用。コストパフォーマンスが良く、新住協の鎌田先生が太鼓判を押す逸品です。

ホール横は広めのゆったりとしたスペースを取ってありコロナ禍でテレワークが増えたご主人のワークスペースになっています。余裕を持ってPCや資料を広げられるように、造作の大きいカウンターがついております。

また、奥様がひかれるピアノをホールに置いて、ホールを子供室として使い始めたらピアノをワークスペースに持ってきたりと、ホールとワークスペースは流動的な使い方ができる様に設計してあります。

主寝室は、名前の通り「寝る」ことだけに焦点を当てたお部屋にしてあります。そのため、安眠に影響を与える大型照明の設置は行わず優しい2灯の光でお部屋を照します。

ファミリークロークは、十分なスペースを設けてあり1Fのランドリースペースと合わせると相当数の洋服の収納が可能です。そのため、普段着は1Fにこちらへはスーツやおしゃれ着などを収納していただくご予定です。

お家の壁面は珪藻土クロスを採用しております。これは、高断熱性能の高いお家を突き詰めていくと透湿性が必要になる場面があり湿気の吸放湿を大事にしなければなりません。そうなると、通常のビニールクロスでは対処が難しくなるのでこのような機能性クロスを採用しております。コスト的に漆喰を塗るよりも遥かに安価に仕上がるので、機能面で同等の性能が欲しい場合はとてもおすすめな工法です。

2階の勾配天井は檜材を使用。小幅板風の意匠で、ほのかにピンクがかった熊野檜が優しい印象を与えてくれます。

窓ガラスはタカハシが標準で採用しているトリプルガラスの窓を使いました。この窓は単体でも断熱性能が高いのですが、ハニカムサーモスクリーンを併用することで、冬場の熱損失を最小限に抑えたり、夏場の日射取得の調整に役立ちます。