高性能住宅における断熱性能を計るものさしとして使われるQ値、UA値ですが、高断熱高気密なお家を色々と調べると目にする事も多いと思います。
さて、このQ値とUA値どちらも断熱性能を表す数値で単位もW/㎡・Kと同じものを使いますが、それぞれ何を示す値かわかりますか。
Q値は「熱損失係数」、UA値は「外皮平均熱貫流率」を指します。
また、これらの数値が0に近ければ近いほど断熱性能の高いお家といえます。
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
目次
1. Q値 / 熱損失係数
Q値は、住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値で、室内外の温度差が1度のときに、家全体から床面積1㎡あたりに1時間で逃げ出す熱量がどれくらいかを示します。
2. UA値 / 外皮平均熱貫流率
UA値は、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮※全体で平均した値です。
※外皮とは、室内と室外の境界面にある屋根、外壁、床、天井、窓、ドアなどの部分を指します。
3. Q値とUA値の違い
それぞれ断熱性能を示す数値ですが、具体的な違いを挙げると
Q値は建物からの熱損失を【床面積】で割りますが、
UA値は建物からの熱損失を【外皮面積】で割ります。
Q値は換気による熱損失を含みますが、UA値は含みません。
Q値は条件によって数値が変化するため、2013年にQ値に変わりUA値が省エネルギーの基準値とされるようになりました。
UA値は、使用する断熱材や建材の種類によってどれぐらいの熱損失が起こるかがわかるため、建物完成後ではなく設計段階での算出が可能です。
4. どうしてQ値からUA値に変わったの
では、なぜQ値からUA値に変わったのでしょうか。
色々な理由はあると思いますが、UA値は建物の階数に関係なく安定した数値が求められるからでしょうか。
Q値だと、建物自体は同じ大きさなのに二階建てと平屋の場合算出されるQ値に差が生じてしまいます。業界では常識でしたが、平屋のQ値は二階建てに比べ数値が高くなります。
そのような不平等さをなくすために現在はUA値での表記がメインとなっております。
5. 今もQ値をみかけるのはなぜ
しかし、タカハシでもそうですが、大手ハウスメーカーや工務店では未だにQ値とUA値の両方を記載することがありますが
それはどうしてでしょうか?
答えは、換気性能を簡単に表すことができるからです。
UA値だけだと、断熱性能に関してはしっかり算出できますが換気による熱損失を計算に入れないので、換気性能はわからないままです。
そこで、Q値を併記することでUA値だけでは見えてこない換気性能の良し悪しを表せるメリットがあるため、現在でもまだまだQ値を目にすることが多いのです。
6. 断熱等性能等級
さて、現在の省エネ基準はUA値 0.87(断熱等性能等級 等級4)で2025年には適合義務化となり、最低でもクリアするべき値となっております。
また、長期優良住宅の認定には等級5以上が必須となり
・ZEH基準相当のUA値 0.6(等級5)
・HEATG2基準相当のUA値 0.46(等級6)
・HEATG3基準相当のUA値 0.26(等級7)
の断熱性能を有するお家でなければ認定されません。
タカハシが手がける高性能住宅は
UA値 0.35以下、 Q値 1.00以下 を
推奨しており、どの季節も快適に過ごしていただけるお家となっております。
【企業理念】
見まもるくらしの提案と想像
釘一本の修繕から、新築・改装などの大きな工事まで、工務店だからこそ出来る
『顔の見える』お仕事を目指し、日々研鑽を積んでおります。